2014年12月11日

川北監督

川北紘一特技監督が亡くなった。12月5日、希しくも監督の誕生日。

俺が連絡を受けたのは8日の夕方、東宝の新作ゴジラ制作の発表があったその日だった。公式発表を今日11日まで延ばしたのは、そのゴジラのニュースでの盛り上がりに水を差さないための配慮だったそうだ。
それならということで、俺もゴジラネタのツイートを連投したり、怪獣の絵を投下したりした。

川北監督に最後に会ったのは、11月24日の「伊福部昭百年紀コンサート Vol.3」の会場だった。そのコンサートには初めて家族全員で行った。妻や子供たちを川北監督に会わせられたのは「セイザーX」の撮影中に現場を訪問した時以来、」10年ぶりだろうか。その時はまだ小3だった長男は大学生、3歳だった三男も中学生だ。監督に子供達の成長した姿を見せられたのは嬉しかった。

家に帰ってから妻が言った「最初、川北監督だとわからなかった」と。
俺は度々会ってるせいか気づかなかったが、久しぶりに会った妻には随分弱って見えたらしい。

そのコンサート会場で、川北監督から「12月1日に、また大阪芸大の講師に来てくれないかな」と頼まれた。去年、川北監督の講義にゲスト講師として行った時の、生徒たちの評判が良かったんだと笑いながら話してくれた。一週間しかない上に、その時は仕事が詰まりまくってて、普通に考えたらとても講師などできないのだが、川北監督からの依頼は無条件に引き受けるというのが自分のスタンスだった。

そんな状況なので何日も仕事場に詰めていた28日の夜、いや29日かもしれない。時間がわからないくらい篭って仕事をしていた時、川北監督から電話があった。自分の頭もボーッとしてたが監督の声も弱々しかったのだろう、聞き取りにくかったが「体調が悪いので大阪には一人で行ってくれ。すまんね。」ということだった。

かくして、11月中に片付けるはずの3つの仕事がどれも終わらないまま大阪芸大に行った。同行した川北監督の会社のO君によると、監督は29日に入院したという。
そう聞いて今回はなぜか強く「病院に見舞いに行かなきゃ」という思いを抱いた。妻が言ったことも気になってたのかもしれないが。

しかし仕事が先述のような状況である。とにかく終わり次第、病院に行こうと思っていた。しかし一つは何度もリテイクがあったり、一つはそもそも量が膨大だったりで目処が立たない。そうこうするうちの12月8日、メール、フェイスブックのメッセージ、LINE、複数のルートから同じ知らせが届いた……。





川北監督!あなたはまだまだ必要な人だったのに!日本の特撮界にとっても、ゴジラにとっても、俺にとっても…!

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今の自分があるのは、漫画家の部分以外はほとんど川北監督のおかげと言ってもいい。漫画だって「ゴジラ狂時代」とか「グランセイザー」とか、特撮のキャリアあっての仕事も多い。

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川北さんは俺にとって、尊大な父であり、やんちゃな兄であり、頼れる上司であり、手強いクライアントであり、気のおけない仕事仲間だった。

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川北さんにもっと映像作品を撮って欲しかった。撮らせてあげて欲しかった。そしてもっと一緒に仕事がしたかった。

「超星神シリーズ」が10年続いていればとも思う。でも「Kawaii! ジェニー」だって傑作だった。川北さんとの仕事はいつも新鮮でワクワクするんだ。

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実現しなかった企画もいっぱいある。それらにも、プロット、デザイン、イメージボード、絵コンテ、ずいぶん描いた。商品用のイラストもいろいろ描いたけど、「ゴジラかまぼこ」が最後の仕事じゃ寂しいですよ監督。

そういえば、年賀状の絵もよく頼まれたなあ。これは去年描いた午年の絵。この時も仕事に追われてて時間がない中で描いたっけ。今年ももう年賀状のシーズンじゃないですか。来年は未年ですよ監督……
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posted by MASH at 13:37| Comment(3) | ゴジラ
この記事へのコメント
はじめてするコメントがこんな訃報なんて残念です。今回の訃報を聞いて驚きと何も言葉にできません。思い返せば、毎年、お正月に映画館に行くのが、楽しみでした。そこには迫力があって、また何処かファンタジックな映像で毎年、楽しみでした。そこにはいつも川北監督の名前があり、関連書籍で監督のインタビューを拝見したり、メイキング風景を見るのも、また楽しみでした。川北監督が生み出してくれた数々のシーンを今、思い出すと本当に悲しい、まだこれからも元気で特撮界を引っ張っていくと思っていただけに悔やまれます。
監督、お会いしたことはありませんが、なんか身内が亡くなったように辛いです。
たくさんの夢を作ってくださって、ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
Posted by lunamiena at 2014年12月20日 19:50
> lunamienaさん

コメントありがとうございます。
大事な思い出の中にいる人は、みんな身内のようなものだと思います。
川北さんの残された作品と、それにまつわる思い出を大切にして、この先につなげていければと思います。
Posted by 西川 at 2014年12月22日 18:28
初めてコメントアップします

悪意はないのですが、ブログ上の画像でコラージュ画像を制作しました。
遅くなりましたが一言になります。

川北監督にはたくさんの夢をもらった
映画館で過ごしたのは、素晴らしい思い出でした。


問題ないとは思いますが削除要請あれば・・・
Gファンからのコメントでした。
Posted by 有紀 at 2015年01月11日 00:33
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